『日毒』が問いかけるもの

『日毒 八重洋一郎詩集』 八重洋一郎著、コールサック社、2017年、1,650円


『日毒』という言葉を初めて聞いたとき、「日本鬼子」という言葉を思い起こした。「鬼子」は、悪霊、悪魔が転じて悪だくみな奴といった意味を持つ。一方「毒」は、健康や生命を害するという意味だが、著者は、おぞましさ、えげつなさ、どす黒い狂気の恐怖と表現する。いずれも呼ぶ側にとっては最悪の相手だ。

本書は、21編の詩から構成されている詩集だが、近現代から現在にわたり日本から沖縄へ流される「毒」を鋭くリアリティを持って描かれている。

詩「手文庫」では、筆者の高祖父は、日本人より拷問を受け続けて廃人となった。死後、自宅地中の手文庫から『日毒』と血書された茶褐色の色紙が見つかった、という。また、詩「山桜」では、現在「南西諸島」にミサイル配備を強行に進める状況は『日毒』ここに極まれり、と記す。

現在でも八重山、沖縄の人々を苦しめ続ける『日毒』、この言葉を私たちの責任で葬りさらなければならない、決して次世代に残してはいけない言葉だ。(小川)

ひきとり新聞第19号のニュースを順にテキストで紹介していきます。)

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