『辺野古入門 (ちくま新書)』 熊本 博之著、筑摩書房、2022年、880円
* *
辺野古を知ってもらうために書かれた本。歴史と現在について、普天間飛行場移設先になった経緯について、二〇年間のフィールドワークを元にまとめてある。
今や「辺野古」というと、かわいいひびきと裏腹に反基地運動の代名詞のごとく言われるが、ここは林業を主体とした小さな村だった。この村が米軍を受け入れるに至った複雑な経緯については基地問題を考える上で知っておきたい。戦後、沖縄は米国占領下となり頼れるものもなく米軍を相手に直接交渉することになる。びくともしないバカでかい相手に苦渋の選択を何度もした。その後交渉相手が変わっても選ぶことのできる選択肢は変わらなかった。「反対」は無視されるが「賛成」だけ受け入れられ続けて今に至る。
冒頭、筆者はとある言葉を地元の人からかけられることで「よそ者」が沖縄にできることはないのだとうなだれる。「よそ者」ができること?いや、「よそ者」にはしなければならないことがある。基地問題を解決するのは日本人だ。(つちふまず)
(ひきとり新聞第14号のニュースを順にテキストで紹介していきます。)
0コメント