(ひきとり新聞第11号のニュースを順にテキストで紹介していきます。)
『横田空域 日米合同委員会でつくられた空の壁』吉田敏浩、角川新書、2019年、924円
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横田空域とは、米軍横田基地が管制権をもつ空域であり、首都圏を中心として1都8県にわたる「米軍によって占領された空」である。この見えない巨大な空の壁によって、羽田空港のすべての離着陸は危険で非効率的なルートを強いられており、羽田増便のための新ルートは山手線沿線部を低空飛行させられている。
米軍による日本の空の「占領」は横田空域だけではない。1995年頃から群馬県における米軍戦闘機の低空飛行訓練が激化しているが、低空飛行訓練は群馬県内にとどまらない。「USAミリタリーチャンネル」で堂々と公開されているF16戦闘機の「超低空飛行」の映像(2018年)をYouTubeでぜひ見てほしい。あわせて「沖縄・低空飛行訓練」も検索してほしい。
大事なのは、横田空域管制権と低空飛行訓練が、「日米地位協定」で保障されたものではなく、あくまで日米合同委員会の密約によるものだという点だ。
(門倉)
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