辛苦に満ちた記憶を笑うな!

『なぜ市民は”座り込む“のか 基地の島沖縄の実像、戦争の記憶』安田浩一著、朝日新聞出版、2023年、1,700円

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近年、沖縄の基地反対闘争をあざ笑う発言が耳目を集めている。その代表がひろゆきの辺野古座り込み抗議行動への、言葉尻をとらえた揶揄だ。ひろゆきは、座り込み抗議が終わって誰もいない夕方に現場を訪ね、「座り込み抗議3011日」の看板前で自身の記念写真を撮り、「0日にした方がよくね?」とうそぶいたのである。

「座り込みとは要求貫徹まで座り続ける抗議」と辞書に書いてあるというのが、「論破王」の唯一の論拠である。

本書は、このひろゆきの論難を記録にとどめ、的確に批判している。他にも私たちが忘れてはいけない、この種の薄弱な論拠による批判や不当な差別発言を怒りとともに資料化している。例えば、辺野古反対運動者は「日給をもらっているプロ市民だ」という「ニュース女子」というテレビ番組、高江ヘリパッド建設反対運動者に対する機動隊員による「土人」発言などである。

私たちは、笑いながら差別する人たちの言辞を忘れてはならない。

(門倉)

ひきとり新聞第20号のニュースを順にテキストで紹介していきます。)

本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会(FIRBO)

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