沖縄の危機と人頭税と

『沖縄――その危機と神々』 谷川健一著、講談社学術文庫、1996年、980円

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「沖縄の発見は、日本民俗学にとっては最大の発見だった」と柳田は書いた。谷川健一の沖縄学は、その「発見」を受け継ぎ深化させた。

谷川が初めて沖縄を訪ねたのは、復帰運動渦中の1969年2月だった。復帰後1年を経た沖縄を再訪した谷川は、沖縄が早くも「本土資本の激流に呑み込まれ」た姿を目にする。谷川は、「沖縄の痛みを自分の痛みとすることのできない日本とは何か」と問いかけつつ、「奄美・沖縄は「南島自治文化圏」を設定する方向にむかうべきだ」と考える。

本書では、沖縄返還後の「沖縄問題」の考察のほかに、谷川沖縄学の根幹をなす「沖縄の時間と空間」論と、先島住民への「人頭税」について記述されている。

人頭税とは、薩摩藩による琉球侵攻以来、琉球王府によって宮古諸島、八重山諸島の、一定の年齢の住民すべてに課された苛酷な税である。人頭税の存在は、沖縄本島と先島との間の、「思いのほか深い違和感」の根底を現している。(門倉)

(ひきとり新聞第16号のニュースを順にテキストで紹介していきます。)

本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会(FIRBO)

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