(ひきとり新聞第11号のニュースを順にテキストで紹介していきます。)
『教養講座 琉球沖縄史』新城 俊昭著編集工房 東洋企画、2014年、2,000円+税
* *
旧石器時代の琉球列島の起源から現代にいたる1万2000年の沖縄の歴史を網羅した本。9章からなる教科書のような作りで、図や解説、カラー写真も豊富。小見出しやコラムをかいつまんで読むこともできる。巻末には沖縄と日本・世界との対照年表がついていて索引もあるので沖縄辞典として活用できそうだ。
タイトルに教養講座とあるようにこれは沖縄の学生向けの本で、筆者は巻頭で沖縄の歴史を学びアイデンティティを解き明かす大切さを説く。が、沖縄にルーツがあるかどうかにかかわらず読みたい。沖縄目線で学ぶことで見える世界は格段に広がった。日本列島の左下にある沖縄ではなく、沖縄島を起点とした東南アジアの地図を見ただけでも認識が変わる。
沖縄史というと近世から第二次世界大戦の話が多く、この本でも大半を占めるがそれ以前の中国・東南アジアとの大交易時代や、もっと前の遣唐使の時代など南の海を縦横無尽に行き来していた琉球の歴史、文化もよくわかった。
(つちふまず)
0コメント