【書評】世界の基地問題と沖縄

【浮かび上がる異様さ】

本書は、世界に広がる米軍基地のネットワーク全体の理解をとおし、膠着する沖縄の基地問題を解決に向けて動かしていくためのヒントを探ることを目的にした初学者向けの書籍である。

米軍は世界に600から800地点に基地を置いている。それぞれの接受国が交渉したり、自然災害に遭遇したり、革新政権が台頭したりするなどさまざまな要因で米軍の面積や兵員数を減らしてきた事実に驚く。

一方で疑問なのが、世界の米軍基地のなかでその質と量とともに圧倒的な上位を占める日本は、なぜここまで「本土」に比べて沖縄に残している割合が大きいのかという点である。そもそも本書の趣旨は、世界に目を向けることで、沖縄の基地をめぐる「二項対立」的で「厄介」な議論を超越しようというものである。ところが、世界に目をやればやるほど、皮肉にもこの国が沖縄に基地を押しつけつづけてきたその異様さが浮かび上がってくる。米軍基地問題は、やはり日本問題なのだ。(さとちん/本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会)

(ひきとり新聞第18号のニュースを順にテキストで紹介していきます。)

本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会(FIRBO)

福岡で基地引き取り運動をしているグループです。沖縄の米軍基地の過重負担について「本土」で何ができるかを考えています。勉強会、講演、ひきとり新聞の発行等を行う市民運動です。参加者募集中!