沖縄県名護市長選の投開票が2月4日にあり、米軍普天間飛行場の辺野古新基地建設計画を事実上容認する新顔の渡具知武豊氏が現職の稲嶺進氏を破って初当選し、今後、政府は辺野古新基地の埋め立てを一層加速させることになるでしょう。
沖縄からの県外移設の声に応答する基地引き取り運動として、この結果をどう受けとめるべきか少し考えてみたいと思います。
まず言っておかねばならないのは、「本土」の誰ひとりも名護市民の選択を否定したり、批判したりすることはできないということです。沖縄がどれだけ民意を示してきても、自己決定の機会を奪い、あきらめさせ、分断し、名護市民に子や孫の命に関わる重い決断を迫ったのはいったい誰でしょうか。
それは、第一には135億円という多額の交付金をチラつかせ健全な地方自治のあり方を奪った日本政府ですが、沖縄の足を踏みながら平和の上にあぐらをかき、米軍ヘリやオスプレイが頭上に落ちてくる危険もレイプされる恐怖も味わわず生きてきた、私たち「本土」の人間でもあります。胸に手を当てて反省すべきは、名護市民でも沖縄県民でも翁長知事でもなく、何よりもまず、基地を押し付ける側としての自分たち自身です。
つぎに、一見、今回の名護市民の「民意」が辺野古新基地建設容認のように見える(単純にそうとは言い切れませんが)としても、私たち「本土」の人間にとって基地引き取りの責務は微塵も変わらないということです。
日米安保を9割近い日本人が賛成するこの国の現状において、そのリスクはみんなが等しく負担すべきことであり、歴史的政治的に沖縄に犠牲を強いてきた私たちにとって、沖縄に対する植民地主義と差別をすみやかにやめることは当然の責務です。
今回の名護市長選の結果を、「本土」が沖縄に基地を押しつけつづける免罪符にすることは決して許されません。基地はすみやかに「本土」に応分に引き取ること。それが、私たち「本土」に暮らすすべての者の責任です。
2018年2月7日
本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会(FIRBO)
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