院長先生からの手紙

 福岡市で長年平和運動に取り組んでいらした武田病院の理事長・院長の武田正勝さんからFIRBOにお手紙をいただきました。ご本人の承諾を得て全文を掲載いたします。


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 何度もの問い合わせ、最後には書類その他の送付までお願いしてすみませんでした。

 高橋先生の文庫本を読んでいましたので、全国的な福岡の運動も、その主旨にのっとったものではないかと思っておりました。

 日本人が沖縄の基地を必要とするのであれば、本土に住む私達にもその任務ということは当然のことです。日本の人々の考え、とりわけ政治家、政府の考えることは、影響を受ける被害をこうむる、危ないことはそのことに関係ある人達に押し付ける、強制する、最後はお金でけりをつける、補償金で解決する。迷惑物件だから当事者以外の人達は迷惑がる、反対する、自分達のこととして考えない、遠ざかる、関係を持たないようにする、など数えきれないような他人事に走った行動が一般的で、これが長い間日本の通常、習わし、歴史を作ってきていると思います。

 戦前においても日本の近隣の国々の人達を差別して扱い、強制労働にかり出し、侵略をしました。

 私の郷里鹿児島は沖縄に対して重税を課して住民を苦しめ、今も薩摩人に対する恨みは根強く残っていると聞いています。現在は重税で苦しめていることはありませんが、異民族であるアメリカ人に戦後70年以上過ぎても占領されていると同様の状況だと思います。日本政府の同意の上なので占領ではありませんが、沖縄の人々の民意とは反対のこととしてあるわけです。

 国防上から、あるいは安全保障上、日本にアメリカの基地がどうしても必要なら、日本全体の人が参加してどうするか考えるべきで、そのために危険なこと、嫌なことであったら全国民が平均して担ぐのが当たり前です。今までこうした考えが日本人に淡かった、考えなかったことは落ち度だと思います。

 戦後得られた自由と民主主義はそんなものではなかったと思います。自由な権利と共に大切なそのための義務も当然発生するものです。

 いずれにしても70年してやっと誤った考え方に疑問を唱える人々が、遅まきながら発生したことは良かったと思います。

2016年11月24日

武田正勝

FIRBO

本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会 Fukuoka Initiative for Return of U.S. Military Bases in Okinawa to Mainland Japan