「本土へ基地を移し沖縄の基地を減らすことから始まる」

FIRBOメンバーのM・Sさんのエッセーが『キタコブシ』174号に掲載されました。


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この一年、高橋哲哉さんの『沖縄の米軍基地「県外移設」を考える』を読み、お話を聞き、また沖縄の人の話も聞き、本土への基地の引き取りを考えました。2009年の鳩山元首相の「最低でも県外」の発言には賛成し、大いに期待もしましたが、風船がしぼむようにヘナヘナと話は消え、首相も変わりました。でもこのときも、自分の中から「本土へ基地を引き取る」という考えは出てきませんでした。言われて初めて「ハッ!」と気付きました。あまりに自然な話に驚いた自分が自分で恥ずかしかったのが忘れられません。

1995年の少女暴行事件の後、98年の「(沖縄の)女たちの東京大運動」では、「もうこれ以上、がまんできません! 沖縄の基地は県内移設ではなく本土へ持っていくべき。安保が必要と思うなら沖縄に基地を押し付けないで、みんなで平等に分担すべき!」と訴えたそうです。現在、沖縄は日本全土の0.6%しか面積がないのに、米軍基地の74%が集中しています。日米安保の支持率は、沖縄は16%、本土は80%だそうです。この数字は沖縄と本土が平等な関係でないことを分かりやすく表しています。そのうえ、辺野古・高江での基地建設反対運動に見られる、沖縄への差別的な対応は度を過ぎています。戦後の日本が過ごしてきた、ほかの国もうらやむほど発展した豊かな暮らしは、もともと本土各地の基地をも沖縄へ移し、差別的に過剰な負担を押し付けたことで得られたものです。本土を守るために犠牲となった沖縄戦の後始末は何もせず、その上に今に至る71年間の苦しみに対して謝罪や補償がされてもいいはずですが、真逆のことを続けているのだと感じます。日米間の安保の問題とは別に、まずこの不平等が解消されるべきであり、それは単純に「本土へ基地を移し、沖縄の基地を減らす」ことから始まるのは当然です。

辺野古の新基地反対の情宣活動をしている仲間にこのことを話すと、返ってくる言葉は厳しいです。昔から基地問題に関わった人は「米軍基地」を引き取ることに複雑な感情が湧いて整理のつかない想いになるのは分かる気もします。このような状況を知らない人たちに、沖縄の人々の想いや、この不平等な実情をどのようにしたら知らせていけるのかをいろいろやってみながら考えていきたいと思っています。

(福岡 M・Sさん)

FIRBO

本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会 Fukuoka Initiative for Return of U.S. Military Bases in Okinawa to Mainland Japan