全国基地引き取り緊急連絡会でステイトメントを出しました

「4月28日」沖縄・奄美・小笠原切り離しの日に
ー辺野古新基地建設のための埋め立てに沖縄戦の遺骨が残る土砂を投入することに強く抗議するー

 「4月28日」 何も考えず、素通りしてしまいそうになるこの日を心に留め、色んな人と考えたいという思いをもって、私たちはアピール行動を行います。この日を確認することが、今の私たちの立ち位置や、この先のことを考える大事なきっかけになると感じています。

 1952年4月28日、サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約が発効しました。8月15日と比べてあまり知られていませんが、4月28日は、日本にとっては、米英などの連合国の占領から脱し、主権を回復した日です。しかし、同時に沖縄、奄美諸島、小笠原諸島は日本から切り離され、米国の占領統治が継続されることになりました。沖縄では、この日を「屈辱の日」と呼んでいます。(奄美諸島は1953年、小笠原諸島は1968年に米国の統治終了)沖縄では、米国の統治が続いた27年の間、米軍の強制的な土地接収により米軍基地が建設され、人命、人権を蹂躙する様々な事態が続きました。1972年、「平和憲法の下への復帰」という沖縄の復帰運動は、形としては実りましたが、その実態は沖縄の願いとはほど遠いものでした。過重な米軍基地の負担は、「復帰」後にむしろ増やされてきたのです。

 1952年の沖縄「切り離し」に限らず、日本はずっと沖縄を犠牲にし、色んな矛盾をしわ寄せすることによって社会を形成してきました。その起源は、1609年の薩摩藩の琉球侵攻にさかのぼることができるでしょう。

 現在、それらの矛盾や差別に対して、もう待ったなしだという沖縄の声が噴出し、私たちに突きつけられています。2019年の沖縄県民投票に代表される「辺野古NO」の圧倒的な民意もその1つです。それでも日本政府(とそれを支える主権者)は、辺野古の基地建設計画に伴う埋め立てを強行し、今度は沖縄戦の犠牲者の遺骨が残る沖縄南部の土砂を投入しようとしています。

 先の戦争では、「本土防衛」のために沖縄を捨て石にし、住民たちが暮らす土地で凄まじい「地上戦」が行われました。急きょ沖縄で召集され、まともな武器も持たないまま戦場に駆り出された「防衛隊」や学生たちからなる「学徒隊」を含め、多くの住民が犠牲になりました。その犠牲者の中には、日本兵によって豪から追い出されたり、スパイとみなされて殺されたりした人もいました。さらに、「捕虜になるくらいなら自決せよ」という国家的強制のもと、各地で「集団自決(強制集団死)」が起こりました。

 日本に生きる者として「沖縄戦」にどう向き合うかは、今につながる大事な問いです。しかし、それをないがしろにしてきた結果が、今も日本の「捨て石」として沖縄に過剰な基地負担を負わせ、さらに沖縄戦犠牲者の遺骨が残る土砂を基地建設に使うと言い出す政権を存続させています。これほど愚かで非道な行為を許していいはずがありません。土砂の使用をやめさせるとともに、辺野古の工事をやめさせる責任は、日本に住む私たち一人ひとりにあるはずです。

 さらに、米軍基地の問題だけではなく、現在、自衛隊の南西シフト態勢による与那国島、石垣島、宮古島、奄美大島などの自衛隊基地建設も大きな問題を抱えています。

 1952年の「切り離し」そのままに、南西諸島、沖縄の人たちを犠牲にし続けている日本社会の中で、改めて「4月28日」に向き合い、私たちは何をすべきか考えたいと思います。各地でアピールする私たちと一緒に立ち止まり、考えてください。


「辺野古を止める!全国基地引き取り緊急連絡会」

沖縄の基地を考える会・札幌

沖縄に応答する会@あきた

沖縄に応答する会@山形

沖縄に応答する会@新潟

沖縄に応答する会@埼玉

沖縄の基地を引き取る会・首都圏ネットワーク(東京・神奈川)

沖縄差別を解消するために沖縄の米軍基地を大阪に引き取る行動

沖縄差別を解消するために沖縄の米軍基地を兵庫に引き取る行動

本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会

沖縄問題を考える上五島住民の会

本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会(FIRBO)

福岡で基地引き取り運動をしているグループです。沖縄の米軍基地の過重負担について「本土」で何ができるかを考えています。勉強会、講演、ひきとり新聞の発行等を行う市民運動です。参加者募集中!